ぎっくり腰

ぎっくり腰の正式名称は急性腰痛と言い、腰に急な負荷がかかる動作によって引き起こされることがあります。
明確なメカニズムは分かっていませんが、背中の筋肉や筋膜に肉ばなれが生じたり、脊柱の靭帯損傷が起きたりした状態だと考えられています。

ぎっくり腰の「ぎっくり」は「びっくり」に由来するとも言われており、突然発生する痛みが特徴的です。
動けないほどの衝撃で2〜3日間は歩くこともままならず、数日後からゆっくりと動けるようになると言われています。
痛みが解消するまでおよそ1〜2週間と言われており、発症しているときに無理に動くと悪化するリスクがあるため、無理をしないことが大切です。

再発が続き、慢性化している場合は骨量の減少や腰椎の変形が疑われるため正しい対処や予防が必要です。
ぎっくり腰を繰り返すと椎間板ヘルニアなどの病気や慢性腰痛といった状態を招き、痛みが長続きしてしまう場合もあります。

いつもと変わらない動作をしているだけでも、ぎっくり腰を発症するのはなぜでしょうか。
原因は明確にはわかっていませんが、「緊張した筋肉への急な外力」からぎっくり腰に繋がると考えられます。

たとえば、精神的なストレスで身体が緊張していると筋肉も硬直して血流が悪くなることがあります。
緊張した筋肉に対し、体勢の変化や重いものを持ち上げる動作で急な外力が加わるとぎっくり腰を発症しやすいと言われています。

その他、筋肉が緊張する要因には次のものが挙げられます。

・姿勢不良

姿勢が悪いために骨盤にゆがみがあると、腰まわりの筋肉が衰えたり、アンバランスになったりすることがあります。
腰椎のねじれがみられるケースも同様です。

・過度な運動

スポーツなどで身体を酷使していると、筋肉に疲労が溜まってぎっくり腰の原因になることがあります。
腰は全身を支える役割があるため、影響が出やすいと言えます。

・長時間の座位

デスクワークなどで、長時間同じ姿勢で座っていると腰の筋肉が緊張しやすくなります。
筋緊張は血流の悪化を招くため、ぎっくり腰を引き起こすきっかけになることが多いとされています。

ぎっくり腰を発症したときに、よくみられる症状は次の通りです。

 

・歩行や寝返りがしにくい、またはできない

腰の痛みが強くて歩くのもつらいという症例があります。
寝ている間も腰に圧力がかかると痛みを感じることがあり、寝返りがしにくい、またはできないといった状態になることもあります。

・立つ動作、座る動作がしにくい

腰に痛みがあると、立ったり座ったりといった動作をしにくく感じることがあります。
椅子なら座れるけれど、お座敷には座りにくいといった状態もその一例です。
自力で立つことや座ることが難しいため、手すりや机につかまらないと動作ができない場合もあります。

・痛みがずっと続いている

動作の有無にかかわらず、痛みが持続している場合もあります。

発症直後は腰の痛みが強くて動けない方もいらっしゃいます。
症状はおよそ1〜2週間続きますが、痛みの強い期間は2〜3日ほどで、その後は自然回復していく傾向にあります。
しかし、「痛みが1ヶ月以上続く」「痛みがだんだん強くなる」といった場合、ぎっくり腰ではなく病気の可能性がありますので、早めに医療機関へ行くようにしてください。

ぎっくり腰以外で腰に痛みを感じる病気には次のようなものがあります。

・脊柱管狭窄症

神経がおさまっている脊柱管の内側が狭くなり、腰の痛みや下肢のしびれを引き起こすことがあります。
椎間板ヘルニアが悪化して発症することがあります。

・椎間板ヘルニア

背骨を構成する骨1つひとつの間にある椎間板という軟骨が突出し、神経を圧迫する病気です。
急な痛みが長引く、安静にしていても痛い、下肢にしびれを感じる、といった症状がよくみられます。

・脊椎すべり症

背骨を構成する骨がずれて腰痛を引き起こしている状態です。

・腰椎椎間関節症

椎間関節に炎症が起こっている状態です。
お尻や太ももにも痛みを生じることがあります。

・内臓疾患など

内臓に疾患があると、腰の痛みとして外側に現れることがあります。

・がん

腰椎は内臓のがんが転移しやすいと言われています。

ぎっくり腰の対処法は、症状が出てからすぐの「急性期」と回復に向かっていく過程での「慢性期」で異なります。

●急性期

・安静にする

ぎっくり腰の急性期は、とにかく痛みの少ない姿勢で安静にすることが大切です。
無理に動かさないようにし、寝るときは横向きになって足を軽く曲げると楽な姿勢がとれます。

・患部のアイシング

急性期は炎症が強い状態ですので、アイシングをして痛みを鎮めましょう。
このとき氷を直接当てずに、氷のうやアイスノンなどを使うようにしてください。
患部が熱を持っているときは湿布などを使ってみることもおすすめです。

●慢性期

・適度な運動

無理のない範囲で身体を動かし、血流を促して回復を助けましょう。
ぎっくり腰の慢性期には、筋肉の緊張や衰えを改善する運動が適しています。
いきなりハードな運動をしようとしなくても大丈夫です。
骨盤周りや背中のストレッチ、筋トレ、体操といった軽い運動で筋肉を使い、緊張をほぐしていきましょう。

・腰部から下半身のストレッチ

骨盤周りや背中のストレッチは腰まわりの筋肉をほぐすため、痛みの回復に繋がります。
ストレッチで硬くなった筋肉をほぐし、柔軟性を高めて血流を促しましょう。
マッサージボールやストレッチポールといった専用の器具を使うこともおすすめです。

・温める

入浴や温湿布、カイロや湯たんぽで冷えを解消して血行を促進しましょう。
保温することで筋肉が弛緩し、血流の確保に繋がります。

ぎっくり腰の予防のために、日常で行える方法もたくさんあります。
そもそもの要因は腰の疲労と冷えだと考えられるため、毎日の疲労を残さないためにもバランスの取れた生活を心がけましょう。
正しい予防を行うことで、ぎっくり腰の再発防止にも繋がります。

・日常的な軽度な運動

ウォーキングや体操をすることで筋肉がまんべんなく使われて血流も改善しやすくなります。
また、長時間の同一姿勢を避けるようにし、仕事や作業をしているときも適度に休憩して身体を動かすよう意識してみましょう。
普段あまり運動をしない方ほど、簡単な運動ひとつだけでも習慣にしていくことがおすすめです。

・姿勢の改善

背筋を伸ばし、胸を張る姿勢を保てるように意識しましょう。
スマホを使うときにも、背中が丸まったり頭が下がりすぎたりしないように気をつけると、姿勢の悪化を予防できます。

特に、腰が必要以上に反っている「反り腰」の状態になっていると、お尻や胸に筋肉の収縮がみられることがあります。
マッサージで硬くなった筋肉をほぐし、正しい姿勢を保てるようにしましょう。

・生活リズムの見直し

食事の時間が不規則だったり、夜更かしが習慣化したりしていませんか。
生活習慣が乱れてストレスが溜まっていると、身体が緊張して筋肉が硬直していることがあります。
忙しい方もできる限り生活のバランスが保てるよう心がけてみてください。

・睡眠

睡眠不足になっている身体は回復スピードが落ちているため、疲労が蓄積して腰部の緊張を引き起こすことがあります。
忙しくて睡眠が足りていない方、日中に眠気がある方は、なるべく6〜8時間の健康的な睡眠を取るように意識してみてください。

また、寝方は横向きやうつ伏せよりも仰向けのほうが圧迫感なく身体を解放しやすくなります。
寝苦しさを感じるときは枕やマットレスが合っていない可能性があるため、一度見直してみてもよいかもしれません。

●波動テープ療法

バランスを整える事で、血流や呼吸を整え、筋肉の緊張など緩和する事で、結果として出ている”痛み”や”違和感”を改善していきます。

●手技

固くなっている筋肉に対して、直接刺激をしゆるめていきます。
筋肉がほぐれることで血流の確保、私生活で身体についた身体のクセなどを改善します。

●ウォーターベット

水の噴射により全身をほぐしていきます、優しい刺激なので受ける際に緊張しずらく、リラックス効果や血流の改善効果があります。

●干渉波

こり固まっている部分に対して電気刺激による収縮と拡張を起こし、血流や緊張を改善し